気ままな 汽車好き

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今だけの光景 EF66同士の追い抜き! (2018.11/25)

山陽本線が不通! ◇

 今年の雨・台風災害被害はご承知の通り酷かった。大動脈の山陽本線が不通になるなんて、誰が予想出来た? 写真を見るとホームの直ぐ下にまで土砂が流入、当然近辺も同様の有様なので、素人目にも早期の復旧は無理と思わせる状況であった。被害は広島を中心とした広範囲に及んでおり、山陽本線の復旧は最優先だとしても、それだけに注力できる状態では無い。

◇ 迂回輸送 ◇

 不通区間の貨物輸送をどうするか。JR貨物の記録を見ると2週間後にトラックによる輸送が始まり、その直後に船舶による輸送も始まっている。注目されたのは2ヶ月後に始まった山陰本線経由による迂回運転。牽引はDD51になるが、走る区間に風光明媚な箇所があるため、多くのファンが撮影に詰めかけた。なおJR貨物としては一日2本運転したかったのだが、1本しか設定できなかったという話を聞く。

◇ 復旧! ◇

 関係者の努力の結果、10/13に山陽本線は全区間で運転再開にこぎ着けた(同時に迂回運転は終了した)。しかしながら勾配区間に徐行区間があるので、貨物列車の機関車運用が変更されている。
 その勾配の徐行区間とはセノハチ(瀬野-八本松)。22.6‰の一方向勾配が10.6kmも連続するため、電動機の発熱が問題となっている。EF66は出力自体は問題ないのだが、徐行運転となると無理が生じるらしい。そのため小重量の列車以外はEF210に運用が置き換わり、滅多にEF66が山陽地区に顔を出さなくなってしまった。EF210EF66よりも若干出力は小さいのだが、30分という短時間に限ると多くの出力を出せるため、徐行運転でもセノハチを越えることが出来る。

◇ 余波が石山に !? ◇

 その結果、石山駅EF66同士の追抜きが見られるようになった。EF66が追抜き側となるのは所定には無いので、珍しい光景。今の時期では朝まだ真っ暗な時間帯なのだが、無茶撮りを敢行!

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動画はこちら ↓ 

▼待避の光景▲ 貴重!今だけの追抜き EF66同士!:石山〔5〕 巛巛 - YouTube

 

 11/30には徐行も解消されるらしい。大幹線の復旧まで5ヶ月、前代未聞の大災害だった。
 徐行は幾らか解消されたんだろうとは思う。長期の運休列車が年末になって動いた形跡がある。でも運用が変更となっている枠組みはあまり変わっておらず、災害の影響が年を越えて残っている事が判る。復旧作業に携われる関係者の方々には、心からの敬意を表する。早期の復旧を祈る。

(2019.1/3追記)
(2020.5/3改稿)