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◇ 慌ただしい朝 ◇(2019.12.15)
前篇で記したが、係員に話しかけられたは午前8時直前。ED31を積んだトレーラーは近江酒造㈱の中だが駐車場には誘導車やらが停まっている。8時を廻ると皆が起き出し、急に慌ただしくなる。近江酒造㈱のゲートが開けられてクレーン車が2台到着し、トレーラーも位置を変えて荷下ろしの準備。近江酒造㈱は休業日のようだが、何人かが来て周囲の整理を行っている。
ほどなくプロジェクトの主要メンバーも集まりだしたが、学生さん達が来たのは遅め。荷下ろし時間に合わせたのだろうが、この辺りはやはり社会人と学生との認識の差だろうか。
作業エリアを区切る柵は当初近江酒造㈱の中の方に置かれ、其処までは立ち入り可とされた。公道に面したゲート付近に一般ファンが集まると危険と云う社長さんの判断だが、これについては一悶着あった。一般公開記念式典に先立つ「ED314先行お披露目式」リターンでの支援(¥100,000)を申し込んだ方り先に、機関車に接近させることは出来ないとの事(そりゃそやな)。結局柵はゲート付近に移設されたが、見学するには充分な場所。集まったファンも少なく落ち着いて作業を見守ることが出来た。
準備作業の記録の中から面白い写真を一枚。近くに置かれたパンタグラフが邪魔なので退かされたのだが、パレットに載せたままフォークリフトでの移動が厄介だったのか、皆でヨイショ!
◇ 大変な吊り下げ準備 ◇
機関車重量が40.65t(Wikipedia)。台車が8tらしいので本体は24tか。吊る場所は枕梁だろうが、ずれるようなことがあったら大事。クレーン車は左の緑が70t対応で右の黄色は不明だが、作業可能な範囲を確保しようとすると必然的に相当な耐荷重のクレーンになったと思われる。
◇ パンタグラフが先? ◇
なかなか吊されないなと思ったら、パンタグラフが先に取り付けられた。ネジ締め箇所は多くは無さそうだが一般機械とは異なる大型機械。慎重かつ手際良く作業は行われた。
◇ いよいよ吊り下げ ◇
吊り下げに用いられたのは10tのナイロンスリング。この太さで10t対応って凄いな(機関車に接しているバンドは不明だが、緻密で丈夫そう)。ちゃんと当て木をして擦り切れを防いでいるあたり、やはりプロ。パンタグラフが先に取り付けられたので、吊り姿もサマになるのは嬉しい。
2台のクレーンは静かに動いて設置場所へと機関車を移動させていく。クレーンの傾きやらが変わるとワイヤー長も変えて吊り位置を一定に保つ必要があるが、実に滑らか。自動なのかも知れないが、これも凄い技術。
◇ 据付 ◇
予め位置を決めてあったと思われる台車の芯皿に、慎重に中心ピンを合わせ機関車本体を降ろしていく。緊張する場面なのだが、作業員の顔をアップにする訳にもいかず、全体写真にしてしまうと実に地味。なので据付後の写真のみアップすることにする。
一連の作業は勿論ビデオにも撮っている。機関車の移動を伴うシーンはほぼ全て撮ったので長くなるが、どうぞご覧あれ。 ⇒
公開篇へ続く。