気ままな 汽車好き

時にはこだわり 時には気まぐれな 汽車好きのたわ言です

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◇ 多賀詣で ◇

 列車が南へ下るほど雪は多くなる。高宮駅で出会ったのは、今にも凍てつきそうなお茶電。昨大晦日の朝から動き廻っている電車だが、雪は多く残ったまま。上屋下にチラリと見える氷柱も、一昼夜溶けずに居るわけだ。
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 新『あかね』号から乗り換えるのは赤電。前日は車輌トラブルによる混乱のため、八日市駅に昼を過ぎても留め置かれたままになっていた。ダイヤの混乱が収拾したので、運用に就いたらしい。
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 ホームはまだ雪だらけ。扉の前だけが除雪され、上屋との間は細く除雪された道が連なる。ただ写真に写っているのは後部車輌。乗降に便利な前部車輌の周辺は、しっかり除雪されていた。
 終点多賀大社前駅に近付くにつれ、雪が更に深くなっていくのが見て取れる。高宮駅からたった3km弱なのだが、気候は大きく変わっているのだ。並走する県道224号線(多賀高宮線)の路上にも、まだ雪がしっかり残っている。
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 でも、実は大失敗(少し前に気付いてはいたけど)。多賀大社前駅臨時営業開始時間は8:30。まだ駅は開いていなかった。

◇ 駅前見物 ◇

 電車の中で折返しをただ待っていても仕方ないので、改札を出てみる。其処にあるのは地図にも書かれている多賀の大鳥居。まだ初詣客の姿は見えない。
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 コミュニティハウス併設の駅舎は白い屋根となり、趣き有る姿を見せてくれる。
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 離れて撮って、県境の山々を入れた方が良かったかなぁ。
 ただ、駅舎には寂しい貼り紙もされている。電車を普段使いしようとするなら、やはり30分毎には走って欲しいところ。
f:id:hato_express:20210104000910j:plain あれ? 多賀大社には詣ってないやンって? その通り。未だ初詣は行かず・・・

◇ 南へ下る ◇

 多賀大社駅のホームも最低限だけの除雪にとどまっている。除けられた雪は捨てる場所も無いので、脇に高く積み上げられたまんま。
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 そんな中を赤電は定刻に発車していく。発車時刻は8:25。え! ひょっとしたら、多分、窓口は開いていたかも。大失敗✕2。恥の上塗り・・・
 高宮駅で乗り換えたのは、昨日に301Fを救援するという大役を果たした104F。元気な姿を見られてホッとする。104Fは走りも順調、やがて北の雪雲の下を飛びだし、美しい初日の出を拝ませてくれた。(愛知川橋梁)
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 八日市駅では朱電と交換。線路はまだ雪に覆われたまま。
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 そして到着した日野駅。修復された木造駅舎と降り積もった雪とが、日本の原風景を思い起こさせてくれる。これぞ正月。
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 お目当ての入場券がこれ。ようやく「1.1」の入場券を購入できた。硬券の切符とダッチングマシーンによる日付刻印が嬉しい。
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 入鋏に関しては賛否が分かれるところだが、 “すいてつ” は特に拘りは無い。むしろ鋏の形が記録として残るので、好き。この鋏痕は確か駅名の最初の文字をローマ字で書いた時の、そのアルファベットの母音の形状から来ていると読んだ記憶がある(かなり記憶はあやふや)。日野駅の最初の文字は「ひ:HI」。この四角い鋏痕は「I」から来ているのだろうか。

 ⇒ 次篇に続く