もう既に半年前の出来事だが、残る２機の古典機の処遇を見守っている内に日々が過ぎてしまった。遅い記事となってしまったことをお詫びしたい。
◇ 近江鉄道ミュージアム閉館 その後 ◇
跡地がどうなるのか、保存車たちはどうなるのか、鉄道ファン達は興味津々。細々と入れ換えはされていたものの何せ保存車が多かったので、詳細は誰も掴めていないのでは。見たところ跡地の線路まで利用して、彦根車庫を広々と使っているような印象を受けた。（←多分大間違い）本来の車庫線より跡地の線路の方が綺麗なのは皮肉。通称解体線に一直線に並んだモハ221形が気掛かり。（2019.1/5 撮影）
◇ 解体陸送始まる ◇
１月も半ばになると、息せき切ったように解体陸送が開始される。陸送先はリサイクルセンターらしい。最初のターゲットはモハ501とモハ222。モハ501は上の写真の真ん中にある建物（資料館）の右に置かれていた。モハ222は５輌並んだ解体線の、一番奥の車輌と思われる。以下、並び順に陸送されたようだ。
＊１/15 － モハ501，モハ222
＊１/16 － モハ221，モハ224
＊１/21 － モハ223，モハ225
＊１/22 － ワ35，ホキ12
＊１/23 － ワ34，モ245
モワ34，35は上の写真の黒い救援車代用有蓋貨車。ホキ12は今も使用されているホキの、11～13の内の一輛。機関車代用で使用されているモハ226は電機機関車より車長が長いので、列車交換の線路有効長に収まらなくなるためホキは今後２輛編成で使用する、という理由らしい。かなり徹底したリストラ。ついこないだまで郵便木造電車を留置していた鉄道とは思えない。（←古！）
モ245は軌道用モーターカー。どうもこれの現役時代の使用状況は検索しても出てこない。あまり役に立たなかった？
◇ ED14 陸送始まる ◇
こうなるとファン達も大騒ぎ。自身が行かなくても皆がTwitter等で情報を上げてくれるので、彦根の様子が手に取るように判る。とは云え “すいてつ” も居ても立ってもいられなくなり、やはり彦根詣でに参加。この頃は常に跨線橋から誰かが外を見ていたような･･･
見ただけで陸送準備と判る状態のED14が２機。奥が２号機で手前が４号機。これが保存先への陸送準備であることを微かに期待していたが、あっさりと解体陸送されてしまった。
＊１/28 － ED14 2
＊１/29 － ED14 4
写真は1/29に陸送されたED14 4。茶色２号塗装なので撮り難いことこの上ない。動画はこちら。
◇ 西武からの譲渡車も陸送 ◇
この後暫く陸送は影を潜める。単にリサイクルセンターが一杯だった、と云う話もある。２月も半ばになると、西武からの譲渡車の陸送が始まる。部品取り用や用途が無くなった古い車輌の処分が目的のようだ。
＊２/14 － モハ3307，モハ3308
＊２/15 － モハ301-3，モハ301-4
こちらは “すいてつ” はあまり興味が無いが、20ｍ車の陸送はさぞかし迫力があったことと思う。黄色い車体も夜に撮るには有り難かったろう。
◇ 機関車陸送再開 ◇
更に一月が経過した頃、唐突に機関車の陸送が再開される。
＊３/11 － ロコ1101
＊３/12 － ED14 3
＊３/13 － ED14 1
１ヶ月の間が空いたと云うことは保存の話があったのだろうか。しかしそれはただの憶測。現実は厳しい。これで全４機残っていた古典機のED14が、一ヶ月半で姿を消してしまった。誠に惜しい。個人的には同類の機関車が保存されているED14より、唯一無二の存在だったロコ1101の消滅の方を残念に思っている。
なお機関車の台車は同じ日にトレーラーに載せられて、立て続けに陸送されている。動画はこちら。
◇ 残った機関車達 ◇
彦根車庫にはED313，ED31 4が残ったままとなっている。希少な古典凸型機関車。最後の陸送から長く期間が経過していると云うことが、意義あるものであることを祈りたい。（2019.8/4 撮影）
※ 各機関車の経歴等については此方をご参照。
